GA4
2023.12.16 GA4
GA4でのクロスドメイントラッキングの設定方法をわかりやすく解説!
今回は、Google Analyticsの最新バージョンであるGA4におけるクロスドメイントラッキングの設定方法に焦点を当てていきます。ウェブ解析の世界では、ユーザーの行動を正確に追跡し、分析することが非常に重要です。特に、複数のドメインを横断するユーザーの行動をトラッキングすることは、マーケティング戦略やウェブサイトの最適化において不可欠な要素です。しかし、GA4でのクロスドメイントラッキングの設定は少々複雑で、多くのウェブマスターやマーケターがその設定方法に苦労しています。この記事では、GA4でのクロスドメイントラッキングを簡単かつ効果的に設定するためのステップを、初心者にもわかりやすい形で解説していきます。これにより、あなたのウェブサイトのデータ分析をより深く、正確に行うことができるようになります。
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クロスドメイントラッキングとは?
クロスドメイントラッキングは、ユーザーが複数の異なるドメインまたはサブドメイン間で行うアクティビティを追跡するウェブ解析の手法です。この手法は、特に複数のウェブサイトを運営している企業や、eコマースサイトとその関連ブログなど、複数の関連するウェブプロパティを持つ場合に重要です。
通常、ウェブ解析ツールは、一つのドメイン内でのユーザー行動を追跡するように設計されています。しかし、ユーザーが一つのサイトから別のサイトへ移動すると、これらのツールは新しいセッションとして記録し、ユーザーの行動パターンを正確に追跡できなくなる可能性があります。クロスドメイントラッキングを設定することで、ユーザーがサイト間を移動しても一貫したセッションとしてデータを追跡し続けることができます。
この技術は、ユーザーの行動をより正確に理解し、マーケティング戦略の最適化やウェブサイトの改善に役立つ重要な情報を提供します。例えば、あるキャンペーンサイトからメインのeコマースサイトへの移動を追跡し、キャンペーンの効果を分析することができます。また、ユーザーが異なるドメイン間でどのように行動するかを理解することで、より効果的なユーザーエクスペリエンスの設計が可能になります。
クロスドメイントラッキングの実装には、ウェブ解析ツールの設定を適切に行う必要があり、多くの場合、専門的な知識が求められます。正しく設定されれば、ビジネスにとって価値ある洞察を得ることができます。
クロスドメイン設定をしないとどうなる?
クロスドメイン設定を行わない場合、ウェブサイトのユーザー行動分析において複数の問題が生じます。特に、複数の関連ウェブサイトを運営している場合、その影響は顕著になります。
セッションの断絶
ユーザーが一つのドメインから別のドメインに移動する際、新しいセッションとして記録されます。これにより、ユーザーが連続して行っている行動も、異なるセッションとして分断され、正確なユーザー行動の追跡ができなくなります。
データの不正確さ
クロスドメイン設定がないと、ユーザーがサイト間を移動する際のデータが正確に追跡されません。これにより、特定のキャンペーンやページの効果測定が不正確になる可能性があります。
コンバージョン率の誤解
ユーザーが異なるドメイン間で商品を閲覧し、購入する場合、そのコンバージョンが適切に追跡されないことがあります。結果として、マーケティング活動やウェブサイトの効果を正確に評価することが困難になります。
ユーザーエクスペリエンスの最適化困難
複数のドメインにわたるユーザーの行動パターンが正確に分析できないため、ユーザーエクスペリエンスの最適化が難しくなります。ユーザーが求める情報や機能を提供するための改善点を見つけ出すのが困難になります。
クロスドメイン設定を行うことで、これらの問題を解決し、より正確で包括的なデータ分析が可能になります。その結果、効果的なマーケティング戦略の策定やユーザーエクスペリエンスの向上に繋がります。
クロスドメイントラッキングが必要なケース
クロスドメイントラッキングが必要となるケースは、主に以下のような状況です。
複数のドメイン運営
同一企業または組織が複数のドメインを運営している場合、ユーザーがこれらのサイト間を行き来する動きを追跡する必要があります。例えば、企業がメインのウェブサイトと別のキャンペーンサイトを持っている場合などです。
eコマースとブログの連携
eコマースサイトとその関連ブログや情報サイトが異なるドメインで運営されている場合、ユーザーが情報収集から購入に至るまでの行動を一元的に追跡するためにクロスドメイントラッキングが必要です。
アフィリエイトプログラムの効果測定
アフィリエイトパートナーのサイトから自社サイトへの訪問者の流れを追跡する場合、複数のドメインにまたがるユーザーの行動を正確に分析する必要があります。
複数サブドメインの利用
一つのメインドメイン下で複数のサブドメインを運営している場合(例: shop.example.com、blog.example.com)も、ユーザーのサイト内の行動を追跡するためにクロスドメイントラッキングが必要です。
これらのケースでは、ユーザーが異なるドメインやサブドメイン間でどのように行動しているかを把握することで、より詳細なユーザー分析や効果的なマーケティング戦略の立案が可能になります。また、ユーザー体験の改善やコンバージョン率の最適化にも寄与します。
GA4でのクロスドメイン設定方法
Google Analytics 4(GA4)でクロスドメイン設定を行う際の手順は以下の通りです。この設定により、複数の関連ドメイン間でのユーザーの行動を一元的に追跡し分析することが可能になります。
GTMで計測したい全てのページにGA4計測タグを設置
まず、Google Tag Manager(GTM)を使用して、計測したい全てのページにGA4計測タグを設置します。これには以下の手順を踏みます。
GTMアカウントを作成し、対象となるウェブサイトにGTMのコンテナスニペットを挿入します。
GTM内で、GA4設定タグを新規作成します。これには、GA4プロパティの「測定ID」を入力する必要があります。
作成したGA4設定タグをウェブサイトの全ページに適用するため、トリガーを「All Pages」に設定します。
GA4管理画面での設定
次に、GA4の管理画面でクロスドメインの設定を行います。
GA4管理画面から対象プロパティの「データストリーム」を選択します。
「データストリーム」内で「Web」を選択し、詳細設定に進みます。
「タグ設定を行う」を選択します。
「ドメインの設定」を選択します。
ドメイン設定画面で、「条件を追加」をクリックして、クロスドメインを設定します。
「条件を追加」を選択し「次の条件に一致するドメインを含める」の項目で、クロスドメイントラッキングを有効にしたいドメインをすべて入力して、マッチタイプを選択したら「保存」を押します。
特定のドメインを除外する方法
特定のドメインをトラッキングから除外する場合も、GA4で設定可能です。
「データストリーム」の設定画面で、除外したいドメインを「除外するドメイン」のセクションに入力します。
除外したいドメインは、正確なドメイン名を使用して入力する必要があります。サブドメインも含め、正しく指定しましょう。
クロスドメイン設定後は、実際にウェブサイトを訪問して、GA4が正確にデータを収集しているかを確認することが重要です。
GA4の「リアルタイム」レポートを利用して、設定が正しく機能しているかをチェックします。
クロスドメイントラッキングの動作確認
クロスドメイントラッキングの設定後、その動作が正確に行われているかを確認することは非常に重要です。以下に、動作確認の主要な方法を説明します。
パラメータを確認
クロスドメイントラッキングが正しく機能しているかを確認する最初のステップは、URLパラメータの確認です。
クロスドメイントラッキングが有効になると、ユーザーが異なるドメイン間で移動する際、URLに“_gl”を含むパラメータが追加されます。UAでもクロスドメイン設定がされていた場合、”_ga=”を含むパラメータが追加されます。UAとGA4の両方でクロスドメイン設定がされている場合、2つのパラメータがそれぞれ追加されます。
ユーザーが一つのドメインから別のドメインへ移動するとき、URLに追加されるパラメータをブラウザのアドレスバーで確認します。
パラメータがURL間で適切に引き継がれていることを確認します。これにより、ユーザーがサイト間を移動しても同一セッションとして追跡されることを保証します。
レポートで流入元を確認
クロスドメイントラッキングのもう一つの重要な確認ポイントは、Google Analyticsなどの解析ツールのレポートを利用して流入元を確認することです。
Google Analyticsのレポートで、ユーザーがどのドメインから来たかを示すトラフィックソースを確認します。クロスドメイントラッキングが正しく機能していれば、異なるドメインからの流入も正確に追跡されます。
クロスドメイントラッキングが正常に機能していれば、複数のドメインにまたがるコンバージョンパスも正確に追跡されます。コンバージョンセクションでこのデータを確認し、ドメイン間でのユーザーの旅を理解します。
GA4でクロスドメイントラッキングを設定する際の注意点
Google Analytics 4(GA4)でクロスドメイントラッキングを設定する際、以下の注意点を理解し適切に対応することが重要です。
編集権限が必要
GA4でクロスドメイントラッキングを設定するには、Google Analyticsアカウントの編集権限が必要です。アカウントの所有者または編集権限を持つユーザーであることを確認してください。
複数人でアカウントを管理している場合は、関連するチームメンバーに編集権限があるかを確認し、必要に応じて権限を付与してください。
複数ドメインの場合はカンマ(,)で区切る
クロスドメイントラッキングを行う複数のドメインをリストアップし、それらをカンマで区切って入力します。例えば、「example.com,shop.example.com,blog.example.com」といった形式です。
ドメイン名は正確に入力する必要があります。誤ったドメイン名やタイポがあると、トラッキングが正常に機能しません。
同じ測定IDで管理する
クロスドメイントラッキングでは、全ての関連ドメインで同じGA4の測定IDを使用します。これにより、ユーザーの行動を一元的に追跡し分析することが可能になります。
使用する測定IDが全てのドメインで一致しているかを確認します。異なる測定IDを使用していると、データが分断されてしまいます。
別ドメインでの設定は不要
クロスドメイントラッキングを行う場合、各ドメインで個別の設定を行う必要はありません。GA4の管理画面で一括して設定を行います。
各ドメインで個別に設定を行うと、作業の重複や設定ミスの原因となる可能性があるため、中央管理が推奨されます。
外部サービスがGA4に対応しているか
クロスドメイントラッキングに影響を与える可能性のある外部サービス(例えば、広告サービスやマーケティングツールなど)がGA4に対応しているかを確認します。
GA4に未対応のサービスを使用している場合、追加の設定や対応策が必要になることがあります。各サービスのサポートやドキュメントを確認しましょう。
各ページの数値を確認したい場合はホスト名を設定
各ドメインまたはサブドメインのページごとにトラッキングデータを確認したい場合は、ホスト名(ドメイン名)の記録を有効にします。
ホスト名を設定することで、GA4のレポートにおいて各ドメインまたはサブドメインのデータを分けて確認できるようになります。これにより、より詳細な分析が可能になります。
GA4でクロスドメイントラッキングができない時の原因と対処法
GA4でクロスドメイントラッキングが正常に機能しない場合、その原因と対処法は以下の通りです。
GA4計測タグが正しく設置されているか
クロスドメイントラッキングが機能しない一般的な原因の一つは、GA4の計測タグがウェブサイトの全ページに正しく設置されていないことです。
Google Tag Manager(GTM)やウェブサイトのソースコードを確認し、GA4の計測タグが全ページに適用されているかを確認します。GTMを使用している場合は、適切なトリガーが設定されていることを確認します。
GA4管理画面で正しく設定されているか
GA4の管理画面でのクロスドメイントラッキング設定が不適切である場合、トラッキングは正常に行われません。
GA4の管理画面にアクセスし、「データストリーム」の設定を確認します。クロスドメイントラッキングが有効になっており、トラッキング対象のドメインが正しくリストアップされているかを確認します。
リダイレクトの設定を行なっている
リダイレクトが設定されている場合、クロスドメイン間でのセッション継続が阻害される可能性があります。
ウェブサイトのリダイレクト設定を確認し、リダイレクトによってクロスドメイントラッキングが影響を受けていないかを検証します。必要に応じてリダイレクトの方法を変更します。
GETパラメータが無効になっている
GETパラメータとは、WebブラウザがWebサーバに対して送信するデータの形式で送信先を特定するものです。
GETパラメータが無効になっていると、クロスドメインに必要なパラメータが引き継がれない可能性があります。無効になっている場合は、有効化します。
リンクがアンカータグ以外
クロスドメイン間でのリンクが通常のアンカータグ(<a>タグ)でない場合、クロスドメイントラッキングが上手く機能しないことがあります。
クロスドメイントラッキングを行うリンクが、適切なアンカータグを使用しているかを確認します。JavaScriptなどで動的に生成されるリンクの場合、追加の設定が必要になることがあります。
設定の反映を待つ
GA4の設定変更後、変更が反映されるまでに時間がかかることがあります。
設定変更後は、即座に変更が反映されないことを理解し、少し時間を置いてから再度動作を確認します。通常は数時間以内に設定の変更が反映されます。変更が反映されるまで、少し時間を待ち、その後にデータが正しく収集されているかを確認します。
クロスドメイントラッキング設定の変更後、すぐに効果が見られない場合でも焦らず、数時間〜1日程度待ってからデータを確認することが重要です。その期間が過ぎても正常に動作しない場合は、再度設定を見直す必要があります。
まとめ
この記事では、GA4におけるクロスドメイントラッキングの基本的な設定方法をご紹介しました。この設定を行うことにより、複数のドメインにまたがるユーザー行動の追跡が可能となり、より包括的で正確なデータ分析が実現します。重要なのは、設定を正確に行い、継続的にデータをモニタリングすることです。今回紹介したステップを参考に、ぜひあなたのウェブサイトにも適切なクロスドメイントラッキングを設定し、ウェブ解析の質を高めてください。また、GA4は進化し続けるツールであるため、最新の機能やアップデートにも注目して、常に最適なウェブ解析環境を維持することが重要です。この記事が、あなたのウェブ解析活動にお役立ていただければ幸いです。